27年ぶりの引っ越し
夫が現役のころは転勤で3年おき、5年おきに引っ越しをしたといいます。そんな
暮らしが20年も続いた後、「もうここを動くまい」と思って入居した美野里ハイタ
ウンでしたが、27年ぶり、妻にとっては14回目の引っ越しをすることに。てきぱき
と箱詰めをする娘さんは「出ていくことに特に感慨はないですね」とのこと。
タンスの下に段ボール紙がきちんと敷かれてあったり、20年前の新聞紙が出てきた
り。妻(母)は「借物ということがありましたからね、包んで包んで、敷いて敷いて、
暮らしてきたんですよ」と。作業の手を止め、ふとつぶやかれた言葉が忘れられません。
「結局、私たちは安住の地というものを、見いだせないできたのです」
取材:2003年12月4日
(タイトル:沖田/コメント:小川)